ヨソ者から見た京阪神地域の魅力 1

 

私は大学進学を機に関西に住み始めた。兵庫に住み大阪を経由して京都の大学に通った。その中で、京阪神地域の魅力を感じることができたと思う。私はこの地域が好きで、この地域で暮らせることを就活の軸にした程の人間だ。それまで10年、東京の近隣県で暮らしていたヨソ者の意見ではあるけれど、時々この地域の魅力を述べるので何かの参考になれば幸いである。

 

今日は京阪神地域の都市の多様性について述べる。

1.都市の多様性

私は京阪神には都市の多様性があると考えている。

まず、大前提として京都、大阪、神戸はそれぞれ全く異なる魅力がある。一時間程度で行き来できるこれらの都市が、異なる魅力を持つことにより住民は様々な余暇の過ごし方を選択できる。しかしこの面だけ見れば、東京の方が様々な性格の街がより密に集まっている都市と言えるだろう。

実は、京阪神地域の多様性を真に示すものは都市部以外の魅力だ。特に「都市部に迎合しない独自の文化」に注目してほしい。以下にその例を三つ提示する。

 

a.市民の文化的活動

ここでは伊丹市を例に挙げて説明する。伊丹市では市民による文化活動が盛んである。毎年2万人程度を集める無料野外フェスが地元の公園で開催される。昨年はPUFFYをゲストとして招いたこともあり、老若男女が公園に入りきらないほど訪れていた。秋には文化遺産である酒蔵と昆虫館を活用し「鳴く虫と郷長」というイベントを行う。そのほかにも神社でのフリーマーケットや朝市など多種多様な催しが開かれている。

これらの催しは都市部では開催できない伊丹独自の催しである。そして、このような催しは都市部の商業主義的なイベントとは異なる安らぎを市民に与えている。京阪神にはこのような街が数多くある。これは関東よりも長い歴史を持ち、それぞれの街が文化を持つ関西ならではの魅力と言えるだろう。

 

b.外食の多様性

東京ほど大企業が多くないためか、東京近隣圏に比べチェーン店・コンビニによる淘汰が少なく個人経営店の存在感が大きいように思う。個人経営店の存在感はそのまま味の多様性につながる。チェーン店は美味しいけれども、どの店に行っても同じ味。それは企業努力の結晶ではあるが、私は様々な味を感じられる京阪神の環境が好きだ。

 

c.自然が多い

山や川が多く身近に自然を感じる機会が多い。自然は日々変化する。雲の移り変わり、生物の変化、山が近くにある事の心強さなど人工物ではどうやっても味わえない感覚だ。自然以上に多様な変化をするものはない。京阪神はそのような多様な変化が生活を彩ってくれる地域でもある。

 

2.まとめ

東京の近隣県に10年住んで抱いた感想は「飽きた」ということだった。チェーン店の似たような味ばかりの店、どこへ行っても変わらない風景、似たような建物ばかりの街。何不自由なかったが「ここは東京に行くための街で面白くはないな」、というのが率直な感想であった。

京阪神で過ごして感じたのは 、都市に多様性があると飽きずに楽しみ続けることが出来るという事。私はそんな多様性のある京阪神地域でずっと暮らしていきたいと思う。